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ゆるりんのポレポレ日記 yururinp.exblog.jp

つれづれなるままに~日頃出会うこと、思うことを綴っています。


by polepole-yururin

先生ありがとう

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今日で東日本大震災から49日・・・
今日テレビで、石巻市大川小学校の愛ちゃんの遺体が見つかったという。
お母さんは淡々と「49日にして見つかって本当に良かった、良かった。」と語られていた。
人の魂は49日はこちらをうろうろしていろんな思いを清算するするそうだ。
そしていろんな思いを消化してあちらへと向かうそうだとどこかで聞いた。
避難したのに、一瞬の隙で津波にのまれた方と生き延びた方
その違いは分からないが・・・

海の近くの女川町立第二保育園は津波で全壊。
今女川第二保育園という表札と塀だけが、津波の恐ろしさを物語るように残っている。
その女川町立第二保育園は全園児は84人。職員は14人。
今現在も84人の園児と14人の職員は健在だ。
この間、女川に行った時に女川第一保育園に立ち寄った。
そこには第一保育園の園長さんと第二保育園の園長さんがいた。
そちらでその当時のお話を聞かせていただいた。
第二保育園の園長さんは、淡々と話された。
あの津波はすごかった。
あの津波から逃れるには、いつもの避難経路で避難するには間に合わないと思った。
先生14人が84人の園児を無事避難させるには・・・
この保育園には0歳から6歳までの園児がいる。
まだ自力で歩けない子もいる。
職員は何人かをおんぶして、抱っこした。
年少、年中、年長の園児は、歩かなくてはいけない。
この子達が歩いて、本来の避難経路を行くこと・・・
危ない!ととっさに判断した。
この近道を行く!この山道を行く!
先生たちは小さな子をおんぶして、抱っこして、そしてまだまだ小さなかわいい手を握り締めて、いつもは歩いたことのない道を行く、山をあがる!
しばらくして津波は保育園をのみ込んだ。
子供達が、いっぱいいっぱい遊んだ保育園を、丸々のみ込んで連れ去った。
その光景を、その保育園の裏山で、14人の先生と84人の園児は呆然と見ていた。
全てを失った。
あっという間に失った。
けれど、物事もまだ分からない小さな小さな幼子84人は、今ここに生きている。
先生はかすれた声で、ゆっくり語る。
とっさの判断で、皆無事に生きています。
女川第二保育園の園長さんはこの津波で、お母さんを亡くしました。
そして長年勤めていた職場も目の前でなくしました。
この3月で退職だった。
でも今も園長としてここにいます。
第二保育園の園長さんは、優しい笑顔の先生だったのだろう。
その笑顔も今、なんとなく消えかけているような気がした。
でも保母としての責任感と誇りを先生の眼の中に見た。
先生、ありがとう。
そんな気持ちいっぱいです。
保母さん・・・母は強しということでしょうか。

ps: 第1保育園の園長さんは家屋を失った。
ここにいる第一保育園、第二保育園の先生たちも親や家屋を失った方。
そんな方が凛として、避難所を運営している。
いろんな情報から・・・この避難所は、きれいだという。
この衛生的な状態を保てていけるのは、いつもお母さんの代わりをしてくれる優しい配慮ある先生方のおかげであることはいうまでもない。
by polepole-yururin | 2011-04-28 09:04 | 震災