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ゆるりんのポレポレ日記 yururinp.exblog.jp

つれづれなるままに~日頃出会うこと、思うことを綴っています。


by polepole-yururin

世の中の動きとマーケティング

優しさを忘れない子供達に〜
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今教育も医療もあらゆる事が侵されている。
なぜこんな事態になったのと記憶をたどる。
いつから、何が起こったか・・
私は医大に勤めていた。
国立大学の大学病院。
だから公務員であった。
公的な場所だった故、運営も公的機関ゆえの運営である。
赤字とかそういう話以上に研究に医師たちは邁進し、私たち医療者もそこでの仕事に関わる材料調達も大雑把に仕入れて運営していた。
確かに、こんな湯水のように使う高額医療を患者さんにずっと意地のように使い続けている光景を見て、誰がこの負担を担うのだろう?国というが、この患者さんはこの医療で人間らしく存在しているのだろうか・・・そう言う事も考えたし、医療者が公的なものだから自由に病院のものを大雑把に使っていいものかなど考えた事もあった。しかし私はまだ若い頃だったのでその疑問を誰にどう伝えていいものかもわからなかった。
いまから8年ほど前にいよいよ公的機関へのメスが入った。
国営は廃止され、病院は独自の運営を任されるようになる。
つまり、赤字を生まない、利益を追求する為の病院医療に切り替える必要があると言うのだ。
だから病院は、まず医療事務を廃止し、民間の医療事務運営機関を入れた。
そして徹底的な病院運営の形に切り替えさせられた。
その頃、マーケティングという言葉が突如あらゆる所で聞くようになる。
そして経済という言葉がこの社会には貴重な位置を占めるというような空気に包まれて行く。
私立大の経済学部も増えた。
教育にもマーケティングが組み込まれ、塾産業が活発になって行く。
5年前に、ラジオで、地元の経済学部の学長が経済について話していた。
一個の商品にどれだけ価値を与えるかが、マーケティングの意味をなす。
普通のお茶をそれなりの価格で儲けを得る為に商品価値を作ることが我々の仕事である。
ネーミング、飾り、広告、その戦略が消費者の心をゆさぶり、100円のものが1000円にも2000円にも10000円にもなりうるのだ。
するとこのコマーシャルがすべてを担うという。
電通の仕事の重大さを感じる。ちなみに今の危うい社会を危うくないと飾って洗脳するはマスコミ、電通の役割である。
・・・
昔、いいものはいいものであったから、長年使われ、大事にされた。
老舗とはそういうものだった。
最初は丁寧な仕事が、消費者の心をうちずっとずっと愛される。
その実体が日本社会を作っていた。
医療も中身があるから安心して医師に任せておいた。
経済とマーケティング、儲け、競争、成長・・・その言葉に皆ががんじがらめになった。
これがないと日本はつぶれると思った大人たちがいた。
同時に社会には不安を煽るものが出回ってきた。
健康、命、老化、・・・
ちょうど郵政民営化が叫ばれた時、生命保険の見直しが言われて外資系の保険会社が入り込んだ。
そして予防医学と言う言葉が巷で出てきた。
健康食品が急増した。
その健康食品はアメリカでは予防医学を謳われて、自らの健康を自分が守る自己責任の意識がちゃんとしていると。(自己責任と言う言葉で民衆を今や苦しめているが・・・)
その言葉は、一年後医療にも入り込み、メタボ対策や癌の早期発見早期治療のキャンペーンと厚生省のお染み付きが出来た。
成人病といわれた病名は生活習慣病と言う言葉になり、がん検診もうるさく行政が言うようになった。
会社でメタボ対策が出来、学校でも同じようなことが起きた。
マンモグラフィーでの検診をいわれ、乳がんの早期発見早期治療にうるさい。
同時に芸能人の癌を克服した人が代表でテレビにガンガン出る。
メタボ予防の検診で、高血圧の薬、高脂血症の薬がはじまる。
この薬、一度飲み始めれば一生のみ続けなければならない。というか、辞める見込みは自分次第だ・・・
老人は骨密度が測られ、骨粗鬆症の薬。諸々・・・
インフルエンザの投与もうるさく言うようになった。
ロタウイルスとかノロウイルスとかの感染とか言う言葉もテレビや新聞でにぎわう。
今までだってあったウイルスの病気。なのにこうも不安を煽るマスコミや行政に違和感を持つ。
アンチエイジングという言葉も出て、老化を不安要素に組み入れて、衰えという言葉で朽ちない身体を求めての美容整形が表にガンガン現れる。
40代も50代も変わらぬ肉体美のために忙しい。
同時に大人がいなくなった。
容姿、欲につられて本来の、思考し自分を持つ成熟した大人がうまれない。
今の50代、40代が社会を形成している結果が、これだ・・・
要するにお金になるためには何をしてもいい。
不安を揺さぶり人の意識をここに向ける。
それも永遠の患者、永遠の消費者。
今私たちのまわりには何があるか・・・
手放せない薬。
永遠のテーマ、老化。
不安故に早期教育。
薬が怖い人は癒しに心奪われる。依存ビジネスが安定な収入を得る手段、マーケティングとなっている。
代替医療・・・
娯楽によるエンドレスの依存ビジネス業。
ゲーム産業、携帯、パチンコ、酒、タバコ・・・
最近は勉強できない子、学校にいけない子、いじめられる子が、心の病気や機能障害のような適応障害と言う名前を貰って薬がはじまる。
安定剤と言うものであるが・・・
低年齢化する精神薬。
この実体をどう見るか?
興奮して勉強ができない子はゲームをしていないだろうか?親の教育はどうなっているだろうか?
食べ物はどうなっているだろうか?
子どもを取り巻く環境はどうなっているだろうか?
外で遊び事を出来ているか?どんな遊びをしているか?
いろいろと思い当たる節はあるだろう。
壊れた大人が子どもをそだて、その子どもが成長し、子どもを育てる。
今こんな社会、心も命もマーケティングありきの経済成長だけを重要視する社会は誰が作り上げているか?
バブル景気を20代、30代に経験し、あぶく銭で愛も権力も名誉も得た人たちが作った社会が今なのだ。
経済学、社会学の学者たち・・・白井聡氏、内田樹氏、浜矩子さん、安富歩氏らが言っている。
経済成長がなけりゃいけない。・・・それが間違い!
経済の本来の意味は人間の営みを得る為の行為である。
その人間の営みを排除し、一握りの人がお金を得るシステム作りは経済とはいえない。
人間の生きて行くための尊厳を失わさせるマーケティングが神聖な領域を侵している。
そこにいる人たちは、神聖な領域を金で破壊されないように守るべき存在である。
どうか、そのいちばん大事な意識を外さないでくれ!思い出してくれ!知らないのなら真剣に学んでくれ!
人間相手の職業に就いている人は人であってほしい。
by polepole-yururin | 2015-10-11 13:58 | 思うこと