ゆるりんのポレポレ日記 yururinp.exblog.jp

つれづれなるままに~日頃出会うこと、思うことを綴っています。


by polepole-yururin
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オリンピックとはだしのゲンと今

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昨日本屋に寄ってみた。
「はだしのゲンの遺言」という本を見つけた。
なんか手に取って読んでみた。
中には、文章と「はだしのゲン」の漫画が時々ちりばめてある。
ちんちん電車の中にゲンが入ると、たくさんの死体とウジがうじょうじょはえずっている。
この場面、私が中学1年生のとき、担任の先生が「はだしのゲン」をもってきてウジの場面を見てその漫画を思わず伏せたことを思い出す。
今その時の感覚を思い出し、ごくんとつばを飲み込んだ。
こんな大人になっても怖い情景である。
他に手や足、お尻から何か糸のようなものを引きづり歩いている人たちがたくさんいた。
ゾンビか何かのオカルトを見ているようだった。
この糸は、人の皮膚で、熱線によって溶けたずる剥けになった皮膚が垂れ下がっているのであった。
ため息しかでない。
これは筆者の原爆を受けた後の自叙伝のようだった。
筆者中沢氏が、漫画家になるためにどういう人生を辿ったか・・・
広島では、大半が被爆し、被爆していない人も親戚が被爆している人たちばかりで、原爆の悲劇を当たり前に語れていた。それが普通だから。
でも東京に上京し、漫画家のアシスタントとして生活する中で、気の知れる仲間が出来たから、自分の被爆体験を当たり前に語った。
すると、差別を受け始めた。
仲間だと思っていた人たちが、うつるといいだし毛嫌いし始めた。
それから中沢氏は、原爆を語るのをやめた。
原爆の事を出来るだけ思い出したくなかった。それだけ苦しく、悲惨で恐ろしい現実だったからだ。
ないものにして生活をしていた。
しかし・・・母の死をきっかけに原爆についてこの世に問いかけていかなくては・・・何かが自分を奮い立たせるのだった。
原爆を語るとき、その時の編集者は、アメリカのCIAに捕まるかもしれないとも言われた。
原爆が当たり前に語れない違和感を感じたと言っていた。
それでも伝える、漫画を描くと中沢氏は決意し、編集者も同じく決意した。
その後、原爆漫画をどんどん大人漫画に発表した。
「私の知らない原爆___知らなかった。」との反響がたくさん寄せられた。
それだけ誰にも原爆は知れない状況と知ろうとしない状況があったのである。
悲劇は広島と長崎だけに限局し、停まっていた。
中沢氏は2011年3月の福島原子力発電所の事故に大変な嘆きを感じていた。
とうとうあのとき原爆の恐ろしさを有耶無耶にし、チェルノブイリの事故の時さえも原発を見直す事もせず、押し進める日本のあり方に怒り、震え、力をなくした。
風評被害という言葉が飛び交う中、福島の人の悲しみを自分ごとのように深く理解した。
中沢氏は、結婚後糖尿病になった。大半の被曝者が糖尿病に苦しんだ。そのとき被爆手帖をもらった。
晩年白内障と肺がんになって2012年12月、永眠。
本屋には、この一冊だけが並べてあった。
息子が、何見てるの?っていった。
「はだしのゲンの遺言。読んでみる?」っていったら「重いからいい」と言われてしまった。
そうなんだ・・・この本屋の陳列も重い物はあまりなく、面白いもんがいっぱい凛冽していた。
「はだしのゲンの遺言」を走り読みして、原爆も原発事故も津波被害もすべてその悲劇が起こった場所に限局し、孤立しているのである。
今日朝起きてテレビを息子がつけた。
「石原慎太郎と東京都知事が歓喜の中継」と書かれてあって二人がインタビューに答えていた。
「何?何の事?」って聞くと
「オリンピック東京に決まったんと違う?」と息子。
大きなため息しか出ない。
「金!金!金!オリンピックは国挙げての戦いです!」東京都知事は言った。
以前ワールドカップに出ていたサッカー選手は、「福島が一番喜んでいますね」と言った。
何でこういう時に福島という名を出すんだ。
誰のためのオリンピックだ!
福島の汚染は東電も国もどうしようもない状態なのに、何でオリンピックなんだ・・・
元気のためにする事はイベントか?
もっと根本的な見直しをして福島を意識すべきではないのか。
1936年ドイツでベルリンオリンピックが開催された。
(1933年に行われた総選挙に勝利したことでドイツの政権を獲得し、同国の国民からの支持を背景に当時隆盛を誇っていたアドルフ・ヒトラー総統は、当初オリンピックを「ユダヤ人の祭典」であるとして開催に難色を示したが、側近から大きなプロパガンダ効果が期待できるとの説得を受けて、開催することに同意した。開会式ではプロパガンダの一環として第一回マラソン優勝者のスピリドン・ルイスが招待されたりもしている。)
今日のニュースはあの頃のドイツを彷彿させるのである。
「はだしのゲンの遺言」の話・・・、中沢氏が活躍していた頃、漫画では「巨人の星」が大流行していた。
男男臭い、頑張ればいいんだ!頑張れば何でも成し遂げれる栄光の人を讃える漫画。
それを見て、中沢氏は、戦争に突入した背景は、その男男した大人が、われこそは!と突進していったんだと思われてならなかったという。
だからあえて真逆の愚図でのろまな男を主人公にして漫画を描いた。
優しさはそんな社会には育たない。
蹴落として、取り残された人間を無視して上り詰める社会は、またあの悲劇を生むんだと肌で感じていた。
高揚がいろんなものを見えなくさせる。
どんどん進む、経済成長という魔物。経済のためなら人が放射能がどうなろうともう関係ないのだから・・・
内田樹氏のブログを読んで、また自分の立ち位置を思考した。
他国に願いを託すしかないのか・・・
日本をちゃんと見ていてください!他国の人よ・・・
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Commented by kinnnikumans at 2013-09-08 23:07
ゆるりんさんこんばんは。
ゆるりんさん、私もう朝絶望的な気持ちになりました。
テレビ一人で見ていたのでものすごい孤独を感じました
あの中の世界の人達を見てたから・・・
怖いですね。
そうそう、なんで福島やねんって!!
そらね福島の方でも喜んでらっしゃる方はいるかもしれません。
だけどな、もう嫌だ。
復興とか、しらじらしいって。
安部総理、今も将来も健康は私が保証しますって言ったんです。
どの口がって。
人、一人の命の重み、ぜんぜん
わかってないから言えたんだって。
恐ろしすぎます。
今被災地で健康に不安がある人のケアもできない、
していない人が、よう言った。そんな言葉をって
私もうテレビ2度見しちゃいました。びっくりしすぎて。。。
ゆるりんさんのその眼差しで、これからも正しい事
教えて下さい。 学びますずっと。
Commented at 2013-09-09 22:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by うさぎ二匹 at 2013-09-10 00:10 x
ゆるりんさん、こんばんは♪

東京に決まって悲しんでいる具合悪くなっている私です。
もうこうなったら他国に期待するしかないのかな?
福島問題が、覚悟を持って取り組むべき課題として展開していくように願っています。

Commented by わことわ母 at 2013-09-10 20:44 x
まさかこの状況で選ばれるとは全く思っていなかったのでびっくりでしたね。裏の誘致があったんでしょかね。一変お祭りムードで、喜んでないのがおかしな雰囲気になっちゃたので、同じような気持ちの人がいて嬉しくてメールしました。明日はアゴラよろしくお願いいたします~。
Commented by polepole-yururin at 2013-09-10 20:59
キャラ弁さん、本当ですね、びっくりでした私もテレビ見て・・・
内田樹さんのブログで、世界の日本への意識がわかってちょっと安堵したのですが・・・。
オリンピックは、スポーツの祭典と言いますが、結局は経済と固く結びついているので、こんな結果だったのでしょう。
もう純粋にスポーツを楽しむ事は無くなりました。スポーツも金、銀・・・優秀である事、秀でる事で認められます。資本主義社会の構造ですね・・・統制する=スポーツって縮図が今教育にも入り込んでいますね。
Commented by polepole-yururin at 2013-09-10 21:02
うさぎ二匹さま、私も吐き気しました。信じられない結果です。マドリードかと思いましたが・・・トルコはデモとかで治安に問題あり・・マドリードは経済がいまいち・・・失業率が低いと・・・でも日本は原発でっせ〜!おかしい。一番危ないじゃないの〜!と・・・でも結局お金ですよ。お金・・・
Commented by polepole-yururin at 2013-09-10 21:12
わことわ母さま、はい、そうですね、第五福竜丸の事故1954年、その10年後東京オリンピック。2011年原発事故、2020年東京オリンピック。なんかパターンありますね。いやなことが起こっても高揚するイベントを置いて忘れさせる。国民は見くびられていますね。
最近思うんです。テレビ・・・すべてが作り物なんだって〜。生放送でもシナリオがありますし・・・コメントも事前に用意されています。
テレビの機能は、何を果たしているのか・・・娯楽だけ。マスコミ操作もすごいしね・・・。私たちの日常はテレビや新聞様々な情報に振り回されています。自分の意志で生きる事をしている人はどれだけいるのだろう。そう最近思っています。
by polepole-yururin | 2013-09-08 10:30 | 思うこと | Comments(7)