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ゆるりんのポレポレ日記 yururinp.exblog.jp

つれづれなるままに~日頃出会うこと、思うことを綴っています。


by polepole-yururin

今の思いを形して~

思いをこめて作る・・・念をこめる・・・
「念ずる」とは、祈りである。
念と言えば、なんか怖い気がするが・・・
念という文字は、今の心と書く。
今の心を形にする。
明日でもなく、昨日でもなく・・・今・・・ただ今。
今の心が、明日を作る。
今、何を思うか、何をするか・・・
その思いこそが、未来である。
未来を想像し、今を思う・・・念
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私の18番・・・お地蔵様つくり。
年に1度、美術工場アゴラで、子供達に混じって粘土で素焼きの置物などを作らせていただいている。
土粘土をこねてこねて・・・塊から形を作る。
こねこねこねて土の感触が手に伝わり・・・
その土の感触は、脳に伝わり、今の思いが混ぜ込まれて、少しずつ形になる。
今の思いは・・・
被災地の方へ心を馳せて
この震災で一瞬のうちに亡くなってしまった方々、そこに残され生きている方々
念ずる思いは何処までか・・・
私の実家の近くの渡願寺の十一面観音は、日本一美しいといわれてる。
この十一面観音は、奈良時代に作られたものだが、織田信長と浅井長政との合戦「姉川の合戦」で、危うく燃えてなくなるかもしれない事態にあったという。
浅井長政の領土は全て炎上し、村人たちは逃げ惑う。
そんな中村人は、日頃自分たちを守ってくださる観音様を、寺の近くに穴を掘り、埋めたんだという。今の思いを形して~_f0215179_21373665.jpg
そして戦火の中で生き延びて、今日までこの美しいお姿を我々に見せてくださっている。
村人の観音様への熱き信仰心の賜物である。
ゴールデンウイークに、実家に帰って、この十一面観音を拝みにいった。
お寺の方が「この観音様は長い手を伸ばして、皆様をお救いしてくださっています。そして11の顔で世を見届けてくださっています。ここにこられたのもご縁。ここにこられなかった方の分まで観音様の思いをもって帰ってくださいませ」とおっしゃった。今の思いを形して~_f0215179_21414886.jpg
村人たちが自分たちの家は燃えようが、この観音様だけは・・・と守り抜いた思いはいかほどか・・・
その話と、被災地の方のいろんな物語が重なり・・・この思いを届けたい・・・
観音様とはいきませんが、私のできること・・・
お地蔵様は、私のシンボル。
お地蔵様は、地獄のそこまで助けに行ってくださるのだという。
誰かの身代わりになって手を差し伸べる。
各地でお地蔵様に出会う。
それもなんもない道端に、作者不明のお地蔵様が、ちょこんと座り、もしくは立っていらっしゃる。
そんな光景に我々は、心を和ます。
かさ地蔵って昔話があったけど、そんなお地蔵様がいたらいいな~と子供の時から思っていた。
思いをこめて、こねこねこねて、いつの間にか20体のお地蔵様が出来上がった。
このお地蔵様をゆっくり時間をかけて乾かしていく。
そしてゆっくり温度を上げて焼き上げていく。
茶色い土のお地蔵様に、息をふきかけるは、火である。
火は、人間の歴史に豊かさを与えてくれた。
人の営みであり、温かさである。
その火を管理してくださるのが、アゴラの先生。
被災地に同じくして心寄せ、いち早く皆に被災地への支援を呼びかけた。
そんな方が、火を灯し、このお地蔵様を焼いてくださる。
私たちが出来ること・・・ひとりひとりの役割は小さなものであるけれど、思いを形にしていくことを、ゆっくり、こつこつと続けることでしかないような気がする。
一つ一つ念には念を入れて~作ったお地蔵様・・・
無事出来上がれば、女川に持っていこうと~。

ps:上記写真は、高月町渡願寺とその境内にある十一面観音様を埋めあった場所。
by polepole-yururin | 2011-06-10 10:25 | 私のこと