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ゆるりんのポレポレ日記 yururinp.exblog.jp

つれづれなるままに~日頃出会うこと、思うことを綴っています。


by polepole-yururin

いのちてんでんこ

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津波の怖さを紙芝居で語り続けている、岩手の86歳のヨシさん。
「いのちてんでんこ」
自分の命は自分で守れということ。
1933年、岩手に震度5、10メートルの津波が押し寄せてきて、900人の命を一瞬にさらっていった。
三陸海岸の津波・・・。
その津波で、お母さんとおにいちゃんの命を奪われたヨシさん。
人間の様子をとどめていない塊が、ごろんごろんと散乱していた。
「家族が点々バラバラになろうとも、とにかく逃げなさい!」と祖父がずっと言い続けてきたことを、ヨシさんは聞いていた。
それほど、一瞬のうちに津波は押し寄せる・・・一瞬なのだ。
津波の恐ろしさを目の当たりにしたヨシさんは、「この記憶を風化させてはいけない。そして歴史を繰り返させてはいけない。」と紙芝居を自分で作り、地元の町の子供達に伝え歩いていた。
しかし・・・今回は予想をはるかに超えた状況だった。
チリの大地震があったとき、三陸海岸へ津波警報が出た。
逃げる人はあまりいなかったという。
そして津波被害もなかった。
人は、警報、注意報に希薄な印象をもってしまった。
そして今回の地震・・・逃げる間もなかったという・・・・
ヨシさんは無事だったそうだ。
「いのちてんでんこ」・・・これは津波だけのことをいっているのではない。
備えあればうれいない・・・不安を解消しようといろんなことにつとめようといっているのではない。
「いのちてんでんこ」・・・自分の命は自分で守れということは、自分の命を引き受けるということだと私は思う。
この地震でいろんな情報が飛び交い、不安をあおることも増える。
又今後についてもいろんなシュミレーションが成されていくと思う。
行政にまかせ、又情報の流れるままに右往左往してしまいがちになるこんな時って。
でも、今こそ考えなくては・・・「いのちてんでんこ」。
人間は、ほんとうは野生を持っている。
危険を察知する能力を、動物のように持っている・・・いや持っていた。
その野生を、忘れてしまった・・・デジタル社会、ボタン一つで作動する社会、豊かだと思える社会の代償に・・・
今回の地震、ニュージーランドの地震の前に、大量のイルカがうち上げられていたそうだ。
イルカのテレパシーというのだろうか、その波動をキャッチするものがおかしくなった?
それともそれを人間に伝えてきた?自分の身体をもって・・・事前に・・・
人間は持っている・・・守るという本能を。
その相反するものが怖さである。
岩手県のヨシさんは、8歳の時に怖さを味わい、守るという本能を思い出し、他にも伝えた。
この地震で、協力し合うことはたいへん大事なことである。
しかし、その前に個々に、「いのちてんでんこ」という意識を持ち合うこと。
その自立した人の輪が、今後の復興に大きな意味を成すように思う。
「いのちてんでんこ」・・・電気が止まり、薬がなくなり、透析が出来なくなり、呼吸器が止まり・・・・・
生かされて生きてきた・・・与えられて生きてきた。
いろんなことが停止した。
いまこそ、「いのちてんでんこ」・・・問われている・・・私も
by polepole-yururin | 2011-03-18 07:55 | 震災